ウェブアート宣言

『ウェブアート宣言』(Web art declaration)

本日、2010年5月9日。
インターネットという虚像と実像が共存する場。
虚像と実像が表裏一体であり、媒介する。
その媒介した場所が空虚である。
インターネット上のウェブはまさに空虚である。
その空虚であるウェブで。
己が己である事を確認し。
ウェブインスタレーションと定義する。

http://www.machromatic.net

現代美術作家 田中智和 (mama)

 

Macromatic is an composite art enterprise in Kishiwada city, Osaka area.

“Web art declaration”

Today, May9th,2010 Place where the internet exists together between virtual image and real image. The virtual image and the real image are consistencies, and it mediates. The mediated place is empty. The web on the Internet is exactly empty. With the empty web. The thing whose yourself is yourself is confirmed. It is defined as the web installation.

http://www.machromatic.net

Artist Tomokazu Tanaka (aka.mama)

 

【ウェブインスタレーション】

インターネットにある種の空間性を見出し、これまでのインスタレーションの手法を仮想空間であるインターネットに持ち込んだものである。基本的にインスタレーションは一時的であるが、ウェブインスタレーションは一時的かつ恒久的なものである。 ウェブインスタレーションは作家の創作によるWEB情報をインスタレーションとしている。そのため、インターネットの存在が必須であることから設置 場所に固有(サイトスペシフィック)のものであり、その点においてこれまでのインスタレーションに共通している。 しかし、通常インスタレーションは一つの空間を前提に行われるが、ウェブインスタレーションは各デバイスの画面を境に、現実空間と仮想空間の二つの空間を 扱っている(二重の空間の使用)。例えば、ガラスを用いて考えてみると、ガラスは向こう側の空間と、こちら側の空間を隔てている様に見える。しかし、その ガラスに貨幣などを貼付けると、どちら側の空間にも属していると観ることができる。 ウェブインスタレーションでは、ガラスの様にデバイスの画面が仮想空間と現実空間を隔てており、ガラスに貼付けた貨幣の様に画面に映し出された WEB情報によって仮想空間と現実空間の境目が消し去られるのである。すなわち、鑑賞者はそのWEB情報を前に仮想空間、現実空間の境目のない空間に置か れることになる。 鑑賞者の閲覧が終われば、デバイスの画面は閉じられ、記憶の中でしか残らない。ゆえに、ウェブインスタレーションは鑑賞者側が流動的であるという点におい て一時的(テンポラリー)である。しかし、サーバ情報の削除を例外とし、サーバ情報にアクセスする(インターネットに繋がる環境にある)ことを前提とする と恒久的である。すなわち、恒久的にサーバ情報が浮遊しており、インターネットを介して鑑賞者が流動的に参加することでエレメントが揃うのである。 なお、作家の創作によるWEB情報とは、作家自身が作成したホームページ等を指し、facebook、mixi、youtube等の既存のSNSや動画投稿サイトのようなアーキテクチャーを利用したものではない。 ウェブインスタレーションは、仮想空間と現実空間の境目のない空間を意図しており、現在のメディアアートにおけるインターネットアートが一般の現代 芸術や実空間と仮想空間の橋渡しという観点で語られている点において異なる。また、ウェブインスタレーションは西洋美術の文脈に倣い、インスタレーショ ン、シミュレーショニズム、そして独自の美術理論である「ごっこ論」により展開されている。 インターネットにある種の空間性を見出し、これまでのインスタレーションの手法を仮想空間であるインターネットに持ち込んだものである。 ウェブインスタレーションは各デバイスの画面を境に、現実空間と仮想空間の二つの空間を扱っている(二重の空間の使用)。 西洋美術の文脈に倣い、インスタレーション、シミュレーショニズム、そして独自の美術理論である「ごっこ論」により展開されている。 鑑賞者を現実空間と仮想空間の境目のない空間に置くことで、人は何にリアリティーを見出し、信用するのかを問題視している。 作家の創作によるWEB情報をインスタレーションとして設置することで現実と仮想の同期をアイロニーとして取り扱っている。